【入院②】月経随伴性気胸で入院
【入院①】からのつづきです
いよいよ処置が始まる。
その名も胸腔ドレナージ。
胸腔ドレナージとは胸腔内にチューブを留置して肺虚脱を改善する治療方法である。
しぼんでしまった肺にチューブを押し込み、装置とつないで肺に陰圧をかける。
右肺にチューブを刺し込むため、右脇腹を上にして横たわる。
処置の際はずっと右腕を上げておかねばならない。
鍛えた上腕二頭筋のおかげで何とか持ちこたえる。
まず麻酔を注射する。
さらに追加の麻酔を2本。
やっと皮膚感覚が無くなる。
慎重に位置決めをして、いよいよ約16センチのチューブをぶっ刺す。
刺しつつ押し込む。
刺しているあいだ、ずっとベテラン看護師さんが手をさすってくれてたり、雑談をしてくれていたので、ほとんど痛みを感じなかった。ありがたい。
かくして右肺にチューブが入り、コンパクトドレーンユニット という機械に繋がった。
チューブが刺さった右脇腹は見るに堪えない状態だった。
( ;∀;)
こちらはコンパクトドレーンユニットの写真。
住友ベークライト製。
調べたら17万円くらいだった。
暇すぎて調べてしまった。
トイレに行くのも、どこに行くにもコンパクトユニットくんを連れて歩く。
まさにチューブ人間。
処置は無事に終わって、お昼どきになっていた。
病室に緊急食と書かれたお昼ご飯が運ばれてきた。
入院の手続き書類をたくさん渡され記入。
そっか、今から入院するのか!(気付くの遅・・・)
外来から緊急処置で入院となったため、家族に連絡する間が全く無かったのだ。
夫に連絡してひとまず来てもらい、入院生活に必要なものを伝えて、再度届けてもらう。
後ほど息子もやって来た。
死に至る病気ではないことで家族は安心したようだ。
だんだん麻酔がきれてきて、チューブが刺さってる箇所の痛みがなかなか凄い。
急にMAXの痛さに襲われ、迷わずナースコールで鎮痛剤をお願いする。
しかし飲んでも痛みは抑えきれない。
肺の胸膜は痛覚があるらしいので、そりゃ痛いはずだ。
この痛みに慣れるしかない・・・。
面会時間が終わって息子が帰り、一人ぼっちの病室。
高台の病院のおかげで琵琶湖を見渡せる。
いつも歩いている町を見下ろしながら、目まぐるしい一日を振り返ってみる。
想定外の処置(この程度のものは手術にあたらない)を受けたけれど、私は気胸でも月経随伴性気胸なので、月経のたびに気胸が再発する可能性がある。
月経随伴性気胸とは…
生理の前後に発症する珍しい気胸があり、月経随伴性気胸といいます。 これは子宮内膜の成分が肺や横隔膜にでき、生理のときに子宮内膜成分が剥がれ横隔膜に穴が開く、あるいは肺に穴が開くことが原因と考えられています。
大阪医科大学 外科学講座 胸部外科学教室より引用
今後は婦人科と連携して検査をして、ホルモン治療などの必要もある。
先のことは今はわからないが、今回の胸腔ドレナージは緊急処置に過ぎず、症状が完治するものではない。
空気漏れがなくなればチューブを抜去して退院できるだけ。
処置のおかげで肺に空気が戻り、やっと呼吸がラクになっていくのを感じる。
普通に呼吸ができる、ただそれだけで幸せとは。
ヨガの先生として呼吸の大切さを伝え続けていた私が、呼吸できなくなる皮肉。
あらためて健康の尊さを感じたのであった。
~【入院③】へ続きます~