ほとり暮らし

びわ湖のほとり 日々の思い あれこれと

【入院②】月経随伴性気胸で入院

【入院①】からのつづきです

 

いよいよ処置が始まる。

その名も胸腔ドレナージ。

胸腔ドレナージとは胸腔内にチューブを留置して肺虚脱を改善する治療方法である。

しぼんでしまった肺にチューブを押し込み、装置とつないで肺に陰圧をかける。


f:id:yumity:20191211105134j:image
Wikipediaより

 

右肺にチューブを刺し込むため、右脇腹を上にして横たわる。

処置の際はずっと右腕を上げておかねばならない。

鍛えた上腕二頭筋のおかげで何とか持ちこたえる。

まず麻酔を注射する。

さらに追加の麻酔を2本。

やっと皮膚感覚が無くなる。

慎重に位置決めをして、いよいよ約16センチのチューブをぶっ刺す。

刺しつつ押し込む。

刺しているあいだ、ずっとベテラン看護師さんが手をさすってくれてたり、雑談をしてくれていたので、ほとんど痛みを感じなかった。ありがたい。

 

かくして右肺にチューブが入り、コンパクトドレーンユニット という機械に繋がった。


f:id:yumity:20190823132613j:image

チューブが刺さった右脇腹は見るに堪えない状態だった。

(  ;∀;)

こちらはコンパクトドレーンユニットの写真。

f:id:yumity:20190823132758j:image

住友ベークライト製。

調べたら17万円くらいだった。

暇すぎて調べてしまった。

 

トイレに行くのも、どこに行くにもコンパクトユニットくんを連れて歩く。

まさにチューブ人間。

 

処置は無事に終わって、お昼どきになっていた。

病室に緊急食と書かれたお昼ご飯が運ばれてきた。

入院の手続き書類をたくさん渡され記入。

そっか、今から入院するのか!(気付くの遅・・・)

外来から緊急処置で入院となったため、家族に連絡する間が全く無かったのだ。

夫に連絡してひとまず来てもらい、入院生活に必要なものを伝えて、再度届けてもらう。

後ほど息子もやって来た。

死に至る病気ではないことで家族は安心したようだ。

 

だんだん麻酔がきれてきて、チューブが刺さってる箇所の痛みがなかなか凄い。

急にMAXの痛さに襲われ、迷わずナースコールで鎮痛剤をお願いする。

しかし飲んでも痛みは抑えきれない。

肺の胸膜は痛覚があるらしいので、そりゃ痛いはずだ。

この痛みに慣れるしかない・・・。

 

面会時間が終わって息子が帰り、一人ぼっちの病室。

高台の病院のおかげで琵琶湖を見渡せる。

いつも歩いている町を見下ろしながら、目まぐるしい一日を振り返ってみる。

想定外の処置(この程度のものは手術にあたらない)を受けたけれど、私は気胸でも月経随伴性気胸なので、月経のたびに気胸が再発する可能性がある。

月経随伴性気胸とは…

生理の前後に発症する珍しい気胸があり、月経随伴性気胸といいます。 これは子宮内膜の成分が肺や横隔膜にでき、生理のときに子宮内膜成分が剥がれ横隔膜に穴が開く、あるいは肺に穴が開くことが原因と考えられています。

大阪医科大学 外科学講座 胸部外科学教室より引用

 

今後は婦人科と連携して検査をして、ホルモン治療などの必要もある。

先のことは今はわからないが、今回の胸腔ドレナージは緊急処置に過ぎず、症状が完治するものではない。

空気漏れがなくなればチューブを抜去して退院できるだけ。

 

処置のおかげで肺に空気が戻り、やっと呼吸がラクになっていくのを感じる。

普通に呼吸ができる、ただそれだけで幸せとは。

ヨガの先生として呼吸の大切さを伝え続けていた私が、呼吸できなくなる皮肉。

あらためて健康の尊さを感じたのであった。

 

~【入院③】へ続きます~